フライヤー(揚げ物調理器具)の食用油交換時期を「AV試験紙」で「酸価・AV値」を測定して行うのが日本のスタンダードな方法であることを書きました。これはあくまでも「日本の…」なのです。

では、世界ではどうなのでしょう? これも以前のブログ記事「フライ油の劣化の基準」に書きました。そこでは、世界のスタンダードとして「TPM(値)」というものをご紹介しましたが、その時に、それを測るための「TPM測定器:デジタル食用油テスター」による品質管理方法をご紹介しました。そのテスターについて、今回はもう少し詳しくご紹介させていただきます。

フライ油の劣化は「極性化合物」という、「低分子分解物・重合物・遊離脂肪酸」などの三つの原因によるものですが、先に述べた「酸価・AV値」とはこのうちの一つである「遊離脂肪酸」のみの値を測ったものです。ここでご紹介するテスターを使用すれば、「極性化合物」全体を数値として明確に測ることができます。誰にでも簡単に扱えるテスターです。

あくまでもご参考ということで「testo 270-食用油テスター」という計測器についてご紹介します。このtesto 270で、TPM値が簡単に測定できます。使い方は、テスターのセンサーを食用油に浸すだけ。油の温度が高くても測定できるので、食用油が冷めるまで待つ必要はありません。大きさは片手で持てるコンパクト・サイズです。テスターを油に浸けて、しばらくするとディスプレイ部分にTPA値の測定結果が表示されます。

百聞は一見にしかず、テスト―社の testo 270 紹介動画が公開されておりますので、ご覧ください。

 

以前もご紹介しましたが、このTPM値はヨーロッパを中心とした国々で「食用油の劣化度」を示す基準値として設定されています。1%~14%で「新鮮」。14%~18%で「数回使用」、18%~22%で「まだOK」。22%~24%で「そろそろ交換の時期」となり、24%以上になると「廃棄すべき」となります。ただし、その「廃棄レベル」の最終値は国によって違っています。ドイツやフランスは厳しくて24%ですが、オーストリアやスイスは27%。中国も27%です。

食用油の状態を把握する基準がこれほど明確で、それを簡単にテスターで測定できれば、現場での油交換管理もグッと効率的となります。

「カラット君」と「食用油テスター」を組み合わせた「電子の力」で、フライヤー油の交換時期をジャストタイミングで管理すれば、商品価値と原価との最適化を図ることができます。

> 「カラット君」ブログトップ