タイトルに掲げました「廃食用油のリサイクル」を「エコ・サイクル」として、それなりに考えてきましたが、では、現実にはどのような状況であるのか、知りたくなりました。それで、またWEB等を調べていると、農林水産省の資料「食品リサイクル法の施行状況」(分割されています)が公開されているのを見つけ、眺めているとその中に「廃食用油のリサイクル」についての現状に関するレポートがありました。このレポート自体は「食品リサイクル」全般に関するものです。
その中の「廃食用油」のリサイクルについてのページ(31ページ)を、ご紹介させていただきます。冒頭に「事業系の廃食用油は、有価物として取引されることも多く」という記述がありました。ということは、やはり「廃食用油」は「資源」としての価値をすでに認められているということでしょう。そして、こう続いています。「その殆どが飼料用(約70%)へリサイクルされており」、更には「特に、外食産業にとって重要なリサイクル手法」という記述へつながっています。確かに廃食用油のリサイクルが現実のシステムとして根付いているようです。
しかし、その細かい内容がこの言葉からは見えにくいですね。やはり、食用油を使って仕事をされている食品事業の現場を見ていると、「食用油」に対しての問題意識、といいますか、総花的ではなく、廃食用油の「リサイクル」がシステムとしてどれくらい浸透しているか、という現状が気になります。
つまり、具体的な「廃食用油の回収」という実態がどうなっているのか、ということですね。「カラット君」の対象ではないとしても「家庭系の廃食用油は、リサイクルが進んでいないが」とあります。まだまだ事業単位で進んでおり、やはり「地域単位」「生活圏単位」での「取り組み」が確立されるのは、まだまだ先なのかなという印象があります。
しかし、その資料のページの中で紹介されている「優良事例」に、某外食チェーンと京都市の取り組みとして、地域に家庭用の廃食用油を回収する拠点を設けている事例がありました。その外食チェーンは回収協力者に食事券を提供しているそうです。こうした動きが広がって行けば、まさに「エコ・サイクル」の姿が見え始めてくるのではないかと思います。家庭用の回収拠点なら中小の事業者も利用できるはずでしょう。
「農林水産省資料:食品リサイクル法の施行状況」
http://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/syokusan/recycle/h24_01/pdf/doc2_1_rev.pdf
http://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/syokusan/recycle/h24_01/pdf/doc2_2_rev.pdf