前回の記事で、廃油から「石鹸」を作ることができる、ということを書きましたが、更に廃油から作れるものを、人に聞いたりWebで調べたりしていたら、石鹸並みにけっこうポピュラーな再利用として「燃料」がありました。
「元が油だから、そりゃ油にはなるよ」なんて突っ込まれそうですが、「バイオディーゼル燃料」になって、車を走らせることができるなんて事、お恥ずかしいことに個人的には全く知りませんでした。
多少の間違いを恐れずに大雑把に書けば、本来、植物油でも車を走らせることはできるようです。が、温度の問題や粘度の問題でそう簡単にはいかないようですが、廃油でも同じように走らせることは可能であるそうで、これには少々驚きました。しかしやはり簡単に、というわけにはいかないそうです。
やはり、廃油そのままで、ということではなく、「バイオディーゼル燃料」で、ってことになるでしょう。正式には「BDF(Bio Diesel Fuel=バイオマスエネルギーの一つ)」と呼ばれるそうで、そういえば、かなり昔のことですが、アメリカで大豆の廃油で車を走らせるなんてことを聞いた記憶があります。
2000年に入ってからはその使用に際しての規格が欧州や日本でも検討されているらしいのですが、何事もそうだと思うのですけど、品質に関する統一規格を設定しようとすれば、「あれは、これは」となってなかなかまとまらず、長い時間が必要になるでしょうね。
日本の場合は税制上の問題が加わって、軽油とは別のタンクを専用に付けて、BDFと切り替えて使用するようにしなければならないとか…。ちなみに欧州ではドイツにBDFのサービスステーションがあったり、フランスでは軽油への混合を認めたりしているようです。日本では残念ながらまだそこまでは行っていないそうです。
植物油、およびその廃油からBDFを作ることは、それほど複雑な工程ではないそうですが、やはり、石鹸と同じように苛性ソーダなどの危険な薬品が必要になりますから、家庭で気軽に、というわけにはいきませんね。
もし、それができれば、極めて魅力的なエコ・リサイクルのモデルが作れるような気がしますが、そう簡単にはいかないか…。どうしても、「社会インフラ」「広域でのサービス」「法規上の問題」「ビジネスとしての成立要件(生産効率化など)」等々が必要になってきます。
しかし、事実として「廃油」に、「石鹸・バイオディーゼル燃料」という再利用の方法があるわけですから、エコ・サイクルについて考え続けることは、一個人であろうと、価値があることと思います。